掴むな危険!?「落ちるナイフ」のオリンパス株

巨額の企業買収に絡んで不正があったのではないかいう疑惑が浮上し、オリンパス株がこのところ大きく値下がりしています。

10月13日の時点で2500円近辺にあった株価は、僅か1週間で1000円付近まで下がりました。(更に11月8日には急落し700円台になっています。実に70%以上にも及ぶ企業価値の剥落です。)

しかし、このニュースが出る以前から、オリンパス株は一部の投資家の間ではある意味で「注目株」とされていました。株価が異常ともいえる高値を保ち続けていたからです。

同社は元々大幅な増収増益基調というわけでもなく、その中で極めて巨額の企業買収を繰り返しては、その買収先の企業も殆ど利益に貢献していないわけですから、当然利益は上がりません。

そのためこの数年は毎年のように、当初の利益見通しを下方修正してくるような会社であったわけです。しかも7000億円という巨額の負債にあえぎ、財務状況も良くありませんでした。

にもかかわらず、震災前の段階ですら同社株はPBR(株価純資産倍率)で4倍を超える高値水準にあり、しかも大震災の後も、他の優良企業の株式が大きく値下がりする中で殆ど下がることも無く、それどころか6月の時点で震災前よりも16%も上昇していたのです。

勿論それだけ買い上げるわけですから全く株価上昇に理由がないということはなく、「内視鏡分野の利益が見込める」という材料で持て囃されていたわけですが、この株価上昇の最大の要因は大手証券会社の格付けにあるといえるでしょう。

野村證券は3300円、JPモルガンは4000円という高い目標株価を掲げ、震災後に発表された決算見通しが市場予想に届かないときでも、証券会社のレーティング引き上げを理由に株価が上昇するなどしていました。

そして、業界最大手のゴールドマン・サックスが投資判断を引き上げて、目標株価を3800円としたのが10月13日であり、まさにその翌日、ウッドフォード社長の解任が発表されて株価は急落を始めたのです。

このように急落を演じた株は安く見えるので個人投資家が買い向かうということがしばしば見受けられます。

しかし、以上の様な経緯から、この株に関して言えばまさに相場格言で言う「落ちるナイフ」であり、手出しは無用ではないかと思われます。